高齢者でも比較的怪我のリスクを減らして筋トレができることで知っておきたいのが、スロートレーニングと呼ばれるトレーニング方法です。
このスロートレーニングには様々な効果があります。今回はスロートレーニングのやり方やその効果をご紹介いたします。
スロートレーニングとは
スロートレーニングとは、その言葉から想像できるようにゆっくりとした動作でトレーニングを行うことで、低負担でも高い重量のトレーニングと同等の負担を筋肉に与えられるトレーニング方法です。
主に筋肥大、代謝の向上を目的として行われることが多く、低負担でも効果があることからトレーニングの早い動作についていきにくい方にやりやすいトレーニングといえます。
重い負担をかけるハードトレーニングは怪我のリスクも高いですが、スロートレーニングはダンベルなどのトレーニング器具も必要なく低負担で始められるため、怪我のリスクも最小限に抑えられます。
特別なテクニックも必要としないため、トレーニング初心者でも始めやすいトレーニングと言えるでしょう。
一方でトレーニング動作をゆっくり行わなければならないため、必然的にトレーニングにかける時間が長くなってしまいます。
忙しい合間にトレーニング、ということが難しいので、ある程度時間に余裕をもたせられる方ではないと続けにくいです。
またトレーニング時間が伸びる分、集中しなければならない時間も伸びます。集中力が切れやすいという方は向かないトレーニングといえます。
スロートレーニングの方法
スロートレーニングでよく行われるのが、腹筋と腕立て伏せ、スクワットなどになります。
どれも動作自体は基本の動きで構いませんが、それぞれ動作にかける時間を増やしていく必要があります。
また「空気椅子」もスロートレーニングに近い動作になりますので、どれくらいの負担がかかるか、どの程度のキツさなのかをちょっと試してみたいときは、何もない所で座った状態を維持して数秒我慢してみると分かると思います。
スロートレーニングの基本
スロートレーニングの動作には共通点がありますので、それをご紹介いたします。
- 一つ一つの動作を3秒〜5秒程度かけてゆっくりと行い、常に筋肉の力を抜かない
- 関節を伸ばしきらない、曲げ切ったりせずに動作を続ける
- 無理しすぎずに自分に合った回数に調整して行う
特に大切なのは無理しすぎないという点です。スロートレーニングに決まった回数はありませんので、自分ができる範囲の無理のない疲労を感じる回数を行いましょう。
続けるうちに段々と慣れてくると、最初と同じ回数では疲れを感じにくくなると思いますから、慣れてきたら回数を増やすというように調整して取り組むことが大切です。
スロートレーニングの効果
少し上でも触れましたが、スロートレーニングの主な効果は筋肥大にあります。
トレーニングをゆっくり行うことで筋肉に新しい刺激を与えることができるという考え方ですが、もちろん筋肥大以外にもいくつかの効果が期待できます。
ロコモティブシンドローム予防に効果あり
筋肉や骨、関節、椎間板というような器官に障害が起こることで立ったり歩くといった動作機能が低下してしまうことを、ロコモティブシンドロームといいます。日常生活を送る上で必要な動作が難しい状態です。
このロコモティブシンドロームの予防にスロートレーニングが効果的とされています。
怪我のリスクを減らしながらこうした運動器官を鍛えられるというのがポイントで、若い方はもちろん、高齢者の方が寝たきり防止に運動を始めたいと思ったときにも取り入れやすいのがスロートレーニングの魅力です。
つまり、筋力の維持・向上にスロートレーニングは効果的なのです。
太りにくい身体作りにも
筋肉量が自然に増えることで基礎代謝量も上がり、太りにくく痩せやすい身体づくりをすることができます。
スロートレーニングだけでムキムキのマッチョになるということは無いため、筋肉が増えすぎるのが心配という女性の方でもダイエットに向いていると言えます。